「日の丸・君が代」はいらない！
くにたち・一橋ニュース
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第18号
2000/03/25発行
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●● 今号の内容 ●●
【1】小学校卒業式で教員を締め出して「日の丸」屋上掲揚
【2】一橋大で屋上にポール設置し、「日の丸」掲揚
みなさん、こんにちは。大学でも小学校でも屋上に「日の丸」が掲揚されました。どちらも当事者を排除し、警察などの監視のもとで行われた掲揚でした。そして、掲揚に際して、学生・生徒に対してまともな説明はなんらなされていません。
「日の丸」が主人公の卒業式…。これが、子どもが主人公の卒業式を求めてきた市民らに対する校長・市教委の回答だったようです。
【1】小学校卒業式で教員を締め出して「日の丸」屋上掲揚
23・24日、国立市立小学校の卒業式が行われ、中学校同様横並びの対応で、屋上に「日の丸」が掲揚された。23日には3校の卒業式が行われ、7時40分に屋上に「日の丸」が掲揚された。24日は5校で卒業式が行われた。この日も横並びで7時半過ぎに屋上に「日の丸」が揚げられた。Ａ小学校では、「威圧感を和らげるため」に市旗も並べて掲揚した。事前に校長から、式場でも「日の丸・君が代」を実施したいとの提案があった学校もあったものの、結局、式場で「日の丸・君が代」を実施した学校はなく、式の内容も例年どおりで行われた。フロア形式・子どもの決意表明・一部学校での「祝う会」という名称などには変更は加えられなかった。
● 教職員・子どもたちをしめだして掲揚した「日の丸」
24日の校長らの対応は特に異常だった。どの小学校でも、市教委・校長・教頭は、校舎にかぎをかけて教職員をしめだして、「日の丸」を屋上に掲揚した。以下は、各学校での事例。
教職員に遅めに登校するように前日に校長が伝える
多くの教職員が登校してきていて、雨も降ってきたにもかかわらず、校長は門を開けず、道路で議論が続いた
早めに登校した子どもたちも校内に入れず、門の外で待たされた
子どもが学校に入れないで家に帰ってきたため、親が学校に問い合わせ、裏口から入った子供もいる（23日）
門の前で「おしつけないで 日の丸・君が代」のリーフレットを配る市民に対して、教頭が「子どもには配らないで下さい」と言った
このように教職員・子どもを締め出して「日の丸」が揚げられたことに対し、卒業式・入学式を見守る市民ネットワークは、教育委員会・石井教育長・持田学校指導課長宛てで、24日に即座に抗議文を提出した。
● 警察・市教委の監視のもとでの卒業を祝う会
昨年度の卒業式では、各学校に2、3人の市教委の人が派遣され、学校の回りでは私服警官や交通警官がうろついていた。このようなことは以前にはなかったことであり、数年間、卒業式の日のビラ配りを続けてきた市民は驚いたものである。
しかし、今年度になって振り返ってみると、まだまだ昨年は牧歌的だった。今年の監視・警戒体制は数段レベルアップしている。各学校の門の側には、警備の警察の車が横付けにされ、制服警官がうろうろしている。市教委・私服警官の数も昨年より増えていた。
● 教職員の抵抗
学校により差はあるが、「日の丸」掲揚に最後まで抵抗した教職員は決して少なくない。教職員一同で抗議文を出したり、ピースリボンをつけて式に出席したりした学校もある。また、Ｂ小学校では、子どもたちに何の説明もなく、先生たちの反対を押し切ってまで校長が「日の丸」掲揚したことに対し、子どもたちから校長に抗議があったという。
● 右派の動き
23日、Ｃ小学校には愛国党の4人が来て、のぼりを立てて演説を行った。のぼりには「警告 天皇・日の丸・君が代・靖国神社に反対するものは反日朝鮮系日本人だ！！」「日の丸・君が代に反対する赤旗教師はリストラセよ！！」「日本の国旗は日の丸太陽だ」「説得 日本人なら！！ 卒業式・入学式は日の丸・君が代で行へ！！」と書かれていた。愛国党が警官に「そこの反対派は中国か北朝鮮の密入国スパイかもしれないからよく調べてください」などと言う場面もあった。愛国党は市役所付近でも「市役所は共産党の事務所となってしまっている」などと演説をし、「君が代」斉唱・宮城遥拝などをしていた。
24日は、国旗国歌を考える市民の会が、9時ごろ国立駅に集合し、Ｄ小学校に向かった。Ｄ小学校では、「卒業式典における国旗国歌完全実施を求める要望書」を門のところで、教頭に提出し、その後、びら配布を行った。ビラ配布時には、子どもたちに「青いリボン（※ 日の丸・君が代押し付けに抵抗するピースリボン）をつけている先生は悪い先生だから、言うこと聞いちゃダメだよ」などと言っていた。
また、以前『正論』で国立の公民館が攻撃されていたが、今回も公民館に立ち寄って、図書室や置いてあるビラのチェックなどをしていた。
なお、この日の行動には中村みのる船橋市議や古賀としあき都議(自民／日野市)も参加していた。三輪和雄日本世論の会会長や土屋たかゆき都議の姿は見られなかった。
【2】一橋大で屋上にポール設置し、「日の丸」掲揚
● 学生に不当な条件を提示した大学
17日、大学当局は、学生との話し合いも情報開示も拒否したまま、突然、工事着工したが、この日は学生の抵抗と教職員の努力で、ポール設置は中止された。そしてそのときの話し合いでは、「いかなる場合でもポールを設置するときは、余裕を持って学生自治会に事前通告すること」という確約がなされた。
また、話し合いの最後には、春分の日に学生が「日の丸」を降ろせばポールを設置するが、入学式まで8時半から17時までの掲揚を学生が認めれば4月に教授会を開き、公開質問状回答や公開の場での学生との話し合いを設定するという極めて不当な条件を大学当局は提示してきた。これらの提案に対して、学生内では意見が分かれ、話し合いが春分の日の朝まで断続的に続けられた。
● 学生との約束をまたも破ってポール設置
結局、春分の日の朝、学生有志の一部が「日の丸」を掲揚後に降ろし、守衛に返却した。その二,三分後、学生が事務棟に向かうと、既に屋上にはポールが設置され、「日の丸」がはためいていた。これは「ポールを設置するときは、いかなる場合でも事前通告する」という学生との約束を明らかに破るものである。
● 市民・マスコミ・学生排除と職員動員・警察待機
突然の屋上工事があった17日は、市民・マスコミを一切排除し、事務棟入り口に十数人の職員を動員し、警察と連絡を取りあって、警察導入の用意もしていた。
20日もまた同様であった。休日にもかかかわらず、多くの職員を動員し、事務棟にはカギをかけ、7階のガラス戸はカギをかけた上、イスで封鎖してあった。数人の職員が写真やビデオで学生を撮りまくっていた。大学の外では公安警察が6人、大学内の様子をうかがっていた。そして、大学から少し離れた国立高校付近には警察の車が数台待機していた。何か「混乱」が起これば、警察導入をする用意を大学側はしていた。
● 責任者不在の「日の丸」強行 今後の抵抗
ポール設置後、学生らは大学側の説明を要求した。しかし、学生部長は9時半と時間を指定したにもかかわらず姿を表さず、この間学生・職員は寒風の中、屋外で数時間待たされた。結局、13時ごろ、学生部長は体調が悪いとして、自治会からの要望書を受け取った後、日を改めて学生部長会合を開くことを約束し帰宅した。
そして、「日の丸」は午後五時まで掲揚された。28日の卒業式以降、「旗日」には屋上に8時半から17時まで「日の丸」掲揚がされることだろう。屋上掲揚では今までのように降ろすという抵抗は非常に困難になった。しかし、大学当局に掲揚場所を正門から屋上へ移さざるをえなくしたことは、学生らの抵抗の痕跡といえるだろう。正門への「日の丸」掲揚は、「日帝時代を想起させる」として、特にアジア留学生や在日朝鮮人にとっては極めて嫌悪感が強いものである。
今後、掲揚中止・ポール撤去を求めるとともに、今後予想される常時掲揚や式場掲揚を阻止していきたい。また、今日に至るまで学生の前に姿を現さない「日の丸」問題の責任者である学長＝石弘光による謝罪と説明も求めていきたい。
▼▼この件に関する抗議・お問合せは、一橋大学学長 石弘光まで▼▼
電 話：042-580-8000（代表）
住 所：〒186-8601 東京都国立市中2-1
電子メール：www-adm@ad.hit-u.ac.jp
ウェブサイト：http://www.hit-u.ac.jp/
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お問い合わせは、st77138@srv.cc.hit-u.ac.jp（炭谷）まで
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