「日の丸・君が代」はいらない!
くにたち・一橋ニュース

17

2000/03/19発行


●● 今号の内容 ●●

【1】国立市の中学校の屋上掲揚
【2】一橋大でポール工事強行、抗議でひとまず凍結



 みなさん、こんにちは。17日(金)は、国立市でも一橋大でも動きがありました。その後も、「春分の日」に向けての学生の話し合いや準備などもあり、きちんとした記事を書けずにいます。とりあえず、国立・一橋の状況について、簡単にお伝えします。



【1】国立市の中学校の屋上掲揚
   (一橋大学生・炭谷昇)

 17日、国立市で市立中学校の卒業式が一斉に行われた。式場での「日の丸・君が代」は見送られたが、3校の屋上には午前7時に「日の丸」が掲揚され、4,5時間ほど掲揚されるという横並びの対応となった。

 例年どおり、「日の丸・君が代」の強制に反対する市民たちは学校前でのビラ配りを行った。法制化後初めての卒業式であり、右翼団体の街宣車や保守グループが学校に来ることが予想されていたが、懸念されていたような大量動員はなかった。第1中学校の前では、愛国党のメンバー3人が、のぼりを立てて、式場にも「日の丸」を揚げることを求めて演説をした。「君が代」を歌ったり、宮城遥拝をする場面もあったという。

 市教委は新聞社の取材に対して、「適正な実施に近づいたと思う」「ゼロからいきなり完全実施にするのは無理。子どもたちのために混乱を避けることができ、通知に沿った形で現場が努力してくれたことを評価したい」などとコメントしている。今後、23、24日の小学校卒業式での対応が注目される。

 *3月17日夕刊(朝日・産経)、18日朝刊(産経・東京・毎日・読売)の多摩版に記事



【2】一橋大でポール工事強行、抗議でひとまず凍結
   (一橋大学生・岸正行)

○ 責任者不在での工事開始
 16日(木)の学生部長との話し合いかの感触から、学生有志は17日の工事着工を危惧していました。そのため、17日午前8時前、学生有志は事務棟7階の上、屋上出入口で待機しました。その直後、工事業者と大学職員の7名が出入口に現れました。情報公開の原則・ポール設置の事前連絡・学長との対話など、私たちが要請してきたことに対する大学当局の回答は、責任者による説明もなく現場の人間を前面に出した形での「抜き打ち」着工だったのです。
 学生の抗議にも関わらず職員が鍵を開け、工事は始まりました。大学当局の「責任者」が誰一人もいないという異常な状況のなか、学生も屋上に上がるとともに、電話にて学生部長に対して、大学に来て事態の説明をするよう求めました。しかし、学生部長は回答をせずに電話を切りました。

○ はじめから用意されていた「ポール」
 屋上に上がった私たちが見たものは、設置されるのを待つばかりのポールと、「学生による実力行使の際の危険防止のため」(庶務課長)につくるというフェンスの資材でした。非常階段からハシゴをかけて屋上にあがって事故の起こることのないようにという「配慮」なのでしょう。これまで学生部長はポール設置の予算や、工事の詳細について「まだ決まっていない」という発言をしていましたが、実際には工事の手筈は整えられていたわけです。そして、フェンスの設置工事が始まりました。
 職員が多数屋上に上がってくるなか、9時過ぎに来た学生部長は、「室内で話したい」として屋上での説明を一切拒みました。しかし、彼は、大学執行部の一員として、またポール設置の責任を担う人間の一人として、工事の現場で説明をする責任が当然あります。さらに、「抜き打ち工事」という行為それ自体が、大学の言動の欺瞞性を端的にあらわしていることからも、私たちはポール設置の凍結を確約しないまま屋上を出 ることを拒否しました。
 事態を知った教員などの尽力もあり、9時40分、学生部長は屋上に現れましたが、学生との対話を一切拒み、10分ほど学生の追及を受けると一方的に屋上から出て行きました。

○ 露骨な排除の姿勢
 その後私たちは屋上での監視・待機を続け、一方で自治会と学生部長との話し合い・学生部長と大学執行部の人間との話し合いが夕方近くまで続きました。
 その間、事務棟1階には十数人の職員がものものしく詰め、市民やマスコミ(中学校の卒業式が終わってから、一橋の事態を知って、かけつけた)を明確な理由なく事務棟から追い出したり、学生についても学生証の提示を求めたり事務棟に来た理由を問いただすなど、大学当局が強調する「通常業務」とはおおよそかけ離れた排除と隠蔽の姿勢をとり続けました。このような姿勢に対して、市民やマスコミからは、現在「日の丸・君が代」が問題になっている国立市で大学がこうした行為をしていることへの無自覚さ、他の大学と比較しても異常な一橋大の対応に対して批判が相次ぎました。

○ 大学側からの不当な要求
 18時前、工事開始から10時間近く経ってようやく大学執行部が屋上に現れました。私たちは、ひとまず屋上を降りる条件として、
  @ 本日のポール建設の凍結
  A 話合いを継続すること
  B 今後、ポール設置については日時を学生に伝えること
などを要求しました。大学側は情報公開についてはこれから議論するとお茶を濁したものの17日のポール建設の凍結については確約したため、ひとまず屋上を降りることにしました。
 18時から、部局長・学生部長と学生の間の話し合いが始まりました。しかしここで大学当局は、今回の抜き打ち着工についての謝罪や責任を一切認めませんでした。そして、話し合いの最後に大学側は、20日(春分の日)に学生が「日の丸」を降ろせばポールを設置すると通告し、話し合いは終わりました。



★ 発行:「日の丸・君が代」はいらない!一橋ネット ★
ホームページ http://tokyo.cool.ne.jp/kunitachi/index.html
お問い合わせは、st77138@srv.cc.hit-u.ac.jp(炭谷)まで
◇ ニュース配信希望の方は、お名前・お住まい・アドレス明記して下さい ◇


【トップページに戻る】【前号(#16)へ】【次号(#18)へ】【トピック別へ】
inserted by FC2 system