「日の丸・君が代」はいらない!
くにたち・一橋ニュース

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2000/03/30発行


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 みなさん、こんにちは。3月28日に一橋大学の卒業式が行われました。このときの様子は、テレビ朝日の昼のニュースや朝日新聞多摩版3月29日でも取り上げられました。(朝日新聞の記事には少々間違いがありますが…)



【1】大学はいつまで恥さらしを続けるのか?
   3.27〜28 一橋大学卒業式 「日の丸」掲揚阻止行動の報告

   (岸 正行・一橋大学学生)

● 前日からの座り込み
 3月20日(春分の日)、一橋大学では事務棟屋上へのポール設置と「日の丸」掲揚が強行されました。「屋上にポールを設置する際は、時間に余裕を持って事前通告する」という最低限の約束も破棄し、事務棟を完全に封鎖して行われたこの暴挙。私たち学生有志は、この間の大学当局の傲慢な対応への抗議と、28日(火)の卒業式での「日の丸」掲揚を何としても阻止するという強い意志をもって、前日27日(月)夕方から大学事務棟での座り込みを始めました。

● 結局「日の丸」の問題に向き合わない大学当局
 事務棟屋上への出入口に集まったのは8人の学生・院生有志。座り込みから数時間たって見回りに来た職員に対し、私たちは28日一杯屋上から出ていかないこと、そして「日の丸」問題の責任者である(と大学当局が主張している)学長・部局長をこの場に呼ぶことを主張しました。

 これに応じて学生部長が出てきたのは日付も変わろうかという頃。しかし学生部長は「これは建物管理の責任からみて、不法占拠だ」「とにかくここから退去しなさい」などと繰り返すばかり。大学当局のこの間の学生をナメきった対応への謝罪もなければ、「日の丸」を大学が揚げることの問題に応えることもなしと、学生部長は「学生に退去してもらうよう説得に来る」以上の役割がなかったわけです。学生部長が退いて、この日はそれ以上のこともなく終わりました。

● 屋上ポールがダメなら正門に…
 28日、卒業式当日の朝。職員による強制排除を警戒して早くから起きていましたが、大学当局が私たちのところに来たのは8時15分頃でした。川村 (法学研究科)、三谷 (社会学部)、新井 (言語社会研究科) などの部局長がぞろぞろ屋上に集まりましたが、ここでも出ることばと言えば「君達のやっていることは不法占拠だ」「8時30分までに退去しないと、重大な意思を持って望む」など、お門違いも甚だしいことばかり。“法学者”の川村氏に至っては「(国旗・国歌法が制定されたのだから)国旗を国旗として扱わないのは憲法違反」という、「国旗・国歌法」に書いていないことまで平然と言う始末で、大学当局が私たちの訴えてきたことにまるで向き合っていないことが明白になりました。

 その後、8時30分を過ぎても屋上に当局・職員が来る気配はなし。一方、正門前には職員が集まり始めたという連絡が入り、この時点で大学が正門に「日の丸」を掲揚しようとしていることが分かりました。果して、普段より20分ほど遅く守衛さんが正門前に、左右2本の「日の丸」を掲揚しました。既に待機していた数名の学生有志が抗議し「日の丸」を降ろそうとしましたが、この日の状況は異常としか言えないものでした。揚げられた「日の丸」の周りに、屈強そうな職員がピッタリ貼りついて動かない状態。守衛室では、北村事務局長 (文部省キャリア官僚) が御目付役よろしく座ってその光景を見守る…私達が「日の丸」下ろしを始めてからは一度もなかった光景でした。

 屋上にいた学生の一部も正門に向かい、9時近くに片一方の「日の丸」を下ろしましたが、職員たちはもう一方の「日の丸」を完全にガード。何度か揉み合いながら膠着状態が続きました。結局、「日の丸」は卒業式の終わる11時頃、私たちが下ろすまで正門前に揚げられてしまったのでした。

● 大学は、またも恥ずかしい姿をさらけ出した
 その後も私たちは屋上入口で当局の動きを見守りましたが、この日大学当局はそれ以上「日の丸」を揚げることなく、17時、私たちは屋上から退出し、事務棟前で集会を行い一連の行動を終えました。

 一連の行動を通じ屋上への「日の丸」掲揚は阻止できましたが、2日間にまたがる行動の中で責任者たる学長を引き出すことは今回も出来ず、責任者による「日の丸」問題に対する説明と謝罪は最後まで出てきませんでした。大学当局がいかに責任追及から逃げ続けているかは、このことだけでなく、現場の対応を全て職員や守衛に行わせたり、当日の一切の取材を拒否する姿勢によく現れています(文部省は、27日夜、各マスコミに「一橋のことは取材しないように」というFAXまで送っていたそうです!!)。昨年11月以来、他人の視線から逃げまわりその実態を隠蔽して「日の丸」を揚げることで、ますますそのぶざまな、恥ずかしい姿が浮き彫りになっていることに、大学当局の人間はいつ気付くのでしょう?

 4月5日の入学式まであとわずかです。今回の私たちの行動を受けてどのような対応を当局がしてくるかはまだ分かりませんが、私たちはあくまでも「日の丸」掲揚を阻止していきます。

※ 卒業式の日も、20日同様、一橋から少し離れた国立高校付近に警察が待機していたようです。

▼▼この件に関する抗議・お問合せは、一橋大学学長 石弘光まで▼▼
電 話:042-580-8000(代表)
住 所:〒186-8601 東京都国立市中2-1
電子メール:www-adm@ad.hit-u.ac.jp
ウェブサイト:http://www.hit-u.ac.jp/



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