「日の丸・君が代」はいらない!
くにたち・一橋ニュース

8

2000/02/16発行


●● 今号の内容 ●●

【1】短いニュース&お詫びと訂正
【2】障害者にとっての「日の丸・君が代」
【3】くにたちの学校から (5) ――最終回



 みなさん、こんにちは。国立の小中学校の卒業式のビデオを見ました。国立の卒業式のよさというのは、単に「日の丸・君が代」がないというだけのことではありません。会場は子どもたちの絵などで飾られ、歌や呼びかけなど、式(会)が子どもたちの手によってつくられています。改めて、「学校行事の主役は子どもたち」だと感じました。

 私の経験した≪卒業証書授与式≫を思い出してみると、ステージ正面には「日の丸」があって、「ステージ登壇者が階段の1段目まできたら全員起立」とか事細かな決まりがたくさんあって、何かと先生に怒られて……。「日の丸・君が代」がある“厳粛”な“式典”のどこが、そんなにいいんでしょうか??



【1】短いニュース&お詫びと訂正

 ニュース3号で紹介した集会の連絡先が間違っていました。訂正してお詫びいたします。
  2月19日(土)
  日の丸・君が代いりません! 2.19三多摩集会
  お問合せ:042-525-9036(立川自衛隊監視テント村)

◆ 卒業式・入学式の「日の丸・君が代」を考える国立の集い 開催決定!
 幅広い市民の参加・賛同によって、以下のような集いを開くことになりました。 賛同団体・個人を募集しております。詳細は後日お伝えします。
  3月5日(日)午後2時から 一橋大学東2号館にて
  講演(講師未定・交渉中)、国立の卒業式・入学式ビデオ上映、各現場からの報告など
  主催:実行委(042-574-4647 すみたに)

◆ 都教委がポール建設のために25億円の予算を計上?!

 昨年12月22日、各都立学校長あてに「国旗等の掲揚等設置について」という文書が出されていた。この文書によれば、掲揚ポールを設置していない学校には、設置のための予算を出すとのこと。設置場所は「生徒、保護者、その他来校者が十分認知できる場所としてください。」と指示されている。25億円の予算が計上されているともいわれており、予定通りなら、昨日予算配布が行われているはず。

◆ 一橋大学で、ポール設置に関する公開質問状提出
 昨日15日一橋大学で、3自治会が「日の丸掲揚のためのポール設置に関する公開質問状」を評議会に提出した。ポール設置の決定に至る経緯、ポールに関する予算や日程について、思想・信条の自由との関係について、などを質問している。自治会は問題の緊急性のため、3月8日までに回答することを求めている。



【2】障害者にとっての「日の丸・君が代」
   (天野 誠一郎)

 障害者がリヤカーに乗せられた。その障害者に対して家族は沢山の「おむすび」を持たせた。そして何処ともなくどこかへ連れて行かれた……。戻って来たリヤカーには障害者は乗っていなかった。

  〜もうひとつの話しとして〜
 ある日、憲兵が一軒一軒の家を訪ねて来た。その憲兵の手には農薬があった。憲兵は言う。「お宅に不具者(障害者)がいるでしょう。これ(農薬)を飲ませて下さい。」

 この両者の話しは戦争中の体験談である。この体験者は重度身体障害者の故・猪野千代子さんである。彼女は、障害者解放運動活動家であったが、生前、彼女から聞かされた戦争体験は強烈だった。前者の話しは家族の中に障害者 がいて、その障害者をどこかの山奥へ捨てに行ったということであろう。後者の話は、「障害者に対して農薬を飲ませて毒殺しろ!」と、憲兵がその家族に迫っているということである。

 そして今また戦争体制への導きとして「日の丸・君が代」法制化の動きである。そうした中、戦うに役に立たない障害者は、遺棄され殺されていく。他方、健 全者は兵力として使い捨てられていく。それは優生思想へと連鎖していくであろう。今こそ日本の右傾化の動きに対して障害者の立場からも、健全者の立場からも反対していこう。



【3】くにたちの学校から (5) ――最終回
   (国立市立小学校教員)


 しかし、《卒業式》と呼ばない2校はもちろんのこと、《式》と言うその他の学校にも、《卒業授与式》と呼ぶことを押し付けようとする動きが出始めました。また、全小学校において《卒業・入学式(祝う会)》は、フロアーを使って対面形式で行っていますが、壇上一礼形式を主張する管理職が、ここ国立においてもとうとう出てきました。そして今、各学校で話し合いが真摯に続けられている最中です。

 「国旗・国歌」法が成立して迎える初めての春ですが、私たちは《学校という社会》に希望を繋いでいくために、本当の意味での草の根民主主義としての地方分権を主張しながら、“国立の教育”を日常的に追及していきたいと考えています。その上で、「旗・歌」がない、子どもを中心とした《式(会)》を、例年のように成功させたいと思っているところです。

(この連載は今回で終わりです)



★ 発行:「日の丸・君が代」はいらない!一橋ネット ★
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