平成14年12月11日

国立市教育委員会

 教育委員長  佐野 文代 様

 教育長      石井 昌浩 様

                                   国立市立校長会

                                   会長 田中 吉廣

 

       「高円宮憲仁さんの葬式の日に弔旗掲揚しないよう求める要望書」の

               取扱いに関する要望書

 

 日頃より、市立小中学校の学校運営及び教育活動に対しまして、深いご理解と暖かいご支援を賜っておりますことに厚く御礼もうしあげます。

 さて、去る11月21日高円宮憲仁殿下におかれましては、心室細動のため、にわかにお亡くなりになられ、29日には国民の深い悲しみの中ご葬儀がしめやかに行われました。ここに謹んでご冥福を申し上げます。

 どの様な立場の人であれ、どのような状況の下であれ、人はその死に対して深い悲しみを抱き、心から哀悼の意を表するものであります。また、残されたご家族の気持ちはいかばかりかと心が痛むものであります。自らの生命を大切にし、人間としてよりよく生きたいという願いを持ち、同時に他人の生命も尊重していくことは、理屈をぬきにして人として最も大切にすべきことであると考えます。

 しかるに、先般いただきました市長・教育委員長・教育長・各校長宛の要望書(「日の丸・君が代」はいらない!くにたち・一橋ネット、連絡先スミタニ ノボル)には、人の死に対して看過ごすことのできない文言が随所にみられますので、あえて本会としての意見を申し述べます。

 まず、「この不況の中、人の税金で生活し、外国に行ったりスポーツしたりしている皇族がひとり減ったことをむしろ喜んでいる人もいるでしょう。」とか、「皇族とは、知り合いでも何でもないので、別に悲しくもなんともないという人もいるでしょう。」などと書かれています。これは、憲法に定められている日本国と日本国民統合の象徴である天皇陛下並びに皇族の方々に対する誹謗中傷であります。しかも国際交流・親善、福祉事業などに皇族方が果たしている役割には思いを巡らさない偏狭で幼稚な発想から出た言説であると思います。また、税金で暮らす人が一人減ったと喜ぶ人もいるなどと平気で書ける団体の主張が正しいと誰が思うでしょうか。

 そして、この度、弔意を表すよう通知した文部科学省の姿勢を「憲法の平等原則に反しています。」などと裁判官でもない者がしたり顔で公言するのは、滑稽としかいいようがありません。このような内容の「要望書」に国立市教育委員会は微動だにしないものと確信しております。

 以下要望します。

 

 このような要望書によって、今後とも貴委員会の判断が左右されることのないよう強く望みます。

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