2000年8月29日

国立市議会議長 関文夫 様

子どもの発言を守る2000年国立二小卒業生保護者を支援する会
子どもが主体になる学校行事を求める会

国立市教育委員会による情報漏えい疑惑についての
調査委員会の設置を求める陳情

■陳情の要旨

  今春以降、卒業式・入学式に関して、市民に開示されていない情報や個人のプライバシーに関わる情報が、産経新聞等に掲載されるなど、教育委員会の情報管理のあり方について、市民の疑念は高まっている。
 そもそも、このような問題の兆候は3月に見られていた。国立市公立小中学校校長は11校長の連名で、「卒業式・入学式の実施に伴う要請について」(3月4日付)と題する文書を「子どもが主体になる学校行事を求める会」へ湯河原(静岡県内)の郵便局から3月6日消印で郵送した。「子どもが主体になる学校行事を求める会」のメンバーがこの郵便物の到着を確認したのは3月8日のことである。一方、『日本時事評論』(本社・山口市)は、3月10日発行の同紙で、この要請文に関する記事を掲載し、国立市内に配布している。 このような時間経過から市民は不信と疑念を抱き、不透明な情報の流れについて明らかにするように市教育委員会へ求めたが、市教育委員会は事実を明確にしなかった。 そして、4月5日以降、以下に例示する3点をはじめとして、市教育委員会による情報漏えい疑惑が何度も繰り返されている。

▽ 国立市教育委員会による情報漏えい疑惑の事例事例一、4月5日発行の『産経新聞』に関して
 国立第二小学校澤幡校長は「平成十一年度卒業式実施報告書」(3月28日付)を市教育委員会へ提出した。3月29日の教育委員会定例会において、この文書の存在が明らかになり、即日、情報開示条例に基づいて、情報開示請求した市民にこの文書が開示されたのは4月11日のことである。 しかしながら、4月5日の産経新聞朝刊に、この報告書をもとに書いたと思われる記事が掲載されている。したがって、市教育委員会職員、教育委員、国立第二小学校校長・教頭が産経新聞に情報を漏えいした疑いがある。

事例二、5月26日発行の『産経新聞』に関して
 5月26日、産経新聞朝刊は、前記の「平成十一年度卒業式実施報告書」(以下、「報告書」)を掲載している。情報開示条例に基づいて市民に開示された「報告書」からは、「報告書」に記載されている場面で発言した教員を特定することはできないが、産経新聞の記事では発言した教員が特定されている。「報告書」に記載されている場面にいたのは国立第二小児童・保護者・教職員・校長・教頭であるが、児童・保護者・教職員が教員を特定する情報を産経新聞へ流したとは考えにくく、市教委職員もしくは校長・教頭が産経新聞へ情報を漏えいした疑いがある。 あるいは、市教委職員もしくは校長・教頭が、市民には開示されていない、発言した教員が特定できる文書を産経新聞へ漏えいしたのではないかとの疑いがある。

事例三、8月21日発行の『産経新聞』に関して
 国立市教育委員会は、8月20日の教育委員会臨時会にて、国立二小・五小教職員の文書訓告を決定し、22日に発令した。しかし、教職員への文書訓告発令の前日である21日にすでに、産経新聞朝刊により、市民に公開されていない教育委員会秘密会の内容や文書訓告決定の内容が、個人が特定できる情報まで含めて、報道されている。したがって、市教委職員か教育委員が産経新聞へ情報を漏えいした疑いがある。

 以上の3点の事例をはじめとし、度重なる情報漏えい疑惑について、市民・教職員・市議会議員は、市教育委員会に対して、再三にわたり、事実の調査と再発防止を求めてきた。それに対し、国立市教育委員会は調査にきちんと取り組みもせずに「情報漏えいはしていない」「守秘義務違反はありえない」と表明するのみであり、事実の解明を求める市民の要請を拒否し続けてきた。一連の情報漏えい疑惑は曖昧にされたままであり、このままでは今後も同様の事態が繰り返されるのではないかと危惧される。子どもの人権が脅かされ、プライバシーに関わる事項が流出する事態が起こっており、市民は強い不安にさらされている。再発を防止し、市民の信頼を回復するためにも、国立市教育委員会による情報漏えい疑惑について、事実を明らかにすることが求められている。

■陳情事項

 国立市は、国立市教育委員会による情報漏えい疑惑について、調査委員会を設置すること。

 


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