2000年12月15日

国立市教育委員会
教育委員長 重野和夫様
教育長 石井昌浩様

国立市公立学校長校長会の憲法・教育基本法遵守を求める会

「日の丸・君が代」を子ども・保護者・教職員に
強制するために校長会から出された要望書に
警告書をもって答えることを求める要望書

 去る11月30日の国立市教育委員会定例会で、国立市立小・中学校長会・会長名で出された要望書があることを知りました。そこには、「日の丸・君が代」を強制する通達を市教委に出してほしい旨がか書かれてありました。しかし、これはどう考えても校長の出すべきものではありません。なぜなら、その内容は、憲法違反であり、教育基本法違反であるからです。そのような危険な内容のものを出してはいけないし、また、そのような考え方に立つこと自体、教育公務員としてあってはならないことです。そのことを十分周知徹底し、二度と同様のことをしないよう校長会に対し、警告書を出されることを強く求めます。

以下、その理由

  1.   教職員は、採用された時に日本国憲法に宣誓をしているのではないでしょうか。憲法には基本的人権・思想・良心・内心の自由がうたわれており、保障されなければならないとあります。教育公務員の職にある方々がこれをおかすことはできないはずです。「日の丸・君が代」は「国旗・国歌」として法制化された以上、恣意的に強制されてはなりません。揚げない自由・歌わない自由が保障されてはじめて法律の枠の中にはまるのです。違憲・違法な手段を使って、掲揚・斉唱が強制されるならそれは「国旗・国歌」たりえません。「国旗・国歌」として実施するなら憲法と教育基本法の規範の枠を自ら破るような矛盾した行為に走らないよう注意し警告するのが教育委員会の努めです。むしろ、強制すべきではないとの見解をはっきりと校長会に示してください。

  2.   市教委は何事につけ校長のリーダーシップを求めています。しかし「日の丸・君が代」実施のために今年の卒業式・入学式・卒業を祝う会・入学を祝う会は様々な問題を引き起こし、それは今もまだ続いています。今年の教訓を十分に生かすことこそがリーダーシップではありませんか。その反省が全くされずに更なる混乱を招くことを率先して行おうとする校長会の要望書の通達を求める姿はリーダーシップを放棄し、上意下達の下僕となることを自ら選んでいるとしか見えません。そのような校長会に教育を託すことはできません。あらためて自らの立場をしっかりと見つめ直すよう指導されるよう求めます。

  3.   教職員が「全体の奉仕者」であるとするなら、国籍・身分・宗教等、様々に違う立場にある子どもすべてに不利益のない教育を行う義務があります。「日の丸・君が代」を認めがたいと思わざるを得ない子ども・保護者に強制してはいけないということです。全体としては一人残らずということでしょうから、一人でもそういう子どもがいたらやめなければなりません。そのことの意味をしっかり知らしめてください。

 以上の内容で早急に要望書に対する回答として、校長会に対し、警告書を発してくださるようお願いします。

 


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